酒の歴史

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人類の出現と酒の出現とは、どちらが年代的に古いであろうか。以外に思われるかもしれないが、これは酒の出現の方が古いと言ってよい。

地球上に人類が出現したのは、せいぜい500万年前のこととされている。しかし、2千万年前の地球にすでにブドウが生育していたことが発見された化石からわかっている。そのはるか以前から、微生物が生息していたこともわかっているため、人類の出現以前にブドウの実に含まれる糖分が微生物によってアルコールに変わっていったことはほぼ確かである。それが現代の常識でワインの原形と言うべき存在だ。さらにその以前にハチミツでもできていたのではないか、とも思われる。

人間の手による酒づくりが文献に現れるのは、紀元前4千~5千年ごろ。古代オリエント最古の文学作品「ギルガメシュ叙事詩」の第11の書板で赤ワイン、白ワインの両方をつくっていたことが記されている。もちろん赤ワインも白ワインも渋くて、酸っぱいものだったに違いないが・・・。当時の人々はそれを海水で割って飲んでいたという文献も残っている。
その少し後には現代のビールの原形であろう酒の作り方も発見されている。

酒づくりに大きな変化をもたらしたのが、錬金術師たちによる蒸留技術の酒への応用である。
紀元前3千年ごろ、メソポタミアに生まれた蒸留の知識、技術は世界各地へ広がりアルコール分の強い、強烈な酒をつくることが可能になり、錬金術師たちはその強い酒をラテン語で、アクア・ビテ(生命の水)と呼んで薬酒扱いした。
この蒸留法により土地ごとに入手可能な原料を使って、酒の蒸留が行われ、人間の知恵と経験により、更に改良され、ポーランドやロシアのウォッカ、フランス、イタリア、スペインのブランデー、スコットランドやアイルランドのウイスキー、北欧諸国のアクアビットへと分化し、現在に至っている。

また、こうした蒸留酒が出現してまもなく、さまざまな薬草や香草、フルーツなどを蒸留酒に配してその成分を浸出させ、秘酒の製造が行われるようになった。この酒は、成分が溶け込んでいる(ラテン語でリケファケレ)ため、リキュールと珍重された。
そしてその後、大航海時代に世界各地に広がり、多様化され洗練された味わいに改善され今日に伝えられてきたのである。

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